書くことがなくて放置してた自由帳ですけど、この度ネタができたので。
ソーシャルな時代、形の有無を問わずありとあらゆるものが取引されるようになっています。その一つがソーシャルゲームのアカウントという、電子データ。
以前からゲームアカウントの取引がなされている事は知っていたのですけど、この度やらなくなったゲームが出てきたので実態調査も兼ねて質に出してきました。
この記事はいわゆる実態調査のルポ的なものです。実際興味ある人もいるのでは? ってことで書いてみました。
長々しく分析とかも書いてるので、要所かいつまんで知りたいって方は
・概要
・手順
・まとめ
の3つ読んでいただければ。だいたいどのようなものか分かります。
ちなみにゲームアカウントのマネー取引についてですが、ゲーム会社の利用規約には禁止の明記があったりする一方で、直接的に取り締まる法律はなかったりします。グレーゾーンですね。
あくまで取引がどのようなものか興味がある方向けに記事を書いている一方で、取引に勧誘する意図は一切ありませんのでご注意ください。
取引データの概要
・取引したもの:ソーシャルゲームのアカウント
・やり込み具合:リリース時からやっていて、実績含めてそこそこ
・課金額:5000円行くかどうか
・取引に使用したもの:マネートレードの仲介会社で、検索上位に出てきたもの
・譲渡方法:新規にメールアドレスを作成して引継ぎ先に指定、メールアドレス+引継ぎコードを相手に提供。
引継ぎコードは1度きりなので、相手に譲渡した段階でこちらからのアクセスは不可。
・取引価格:課金額以上とだけ。
取引の手順
・出品
画像の添付、アカウントの概要、希望価格 など
・本人確認の登録(メールアドレスなど)
・連絡がくる(買いたいという意志の内容)
・取引方法や条件などのすり合わせ
・相手側の入金(仲介会社が一旦預かり)
・入金の確認後、アカウントの譲渡
・相手側の確認後、レビューを以って取引成立。売上金にカウントされる
市場としての実態(問題点)
正直まだまだ未熟で、取引きしてみて見えてくるものも多かったです。
問題点は以下の通りです。
出品数が多い
それだけ市場が活発、ってことなのでしょうけど、必ずしもいいことばかりとは言えません。
後に詳しく書きます。
低価格な取引
ゲームアカウント自体は金額様々で出品されていますが、プレイしたことがある側から見ると控えめに言って不相応な値段での出品が目立ちます。理由として考えられるのは以下の通り。
・需要と供給のバランス問題。
市場では価格の決定は需要曲線と供給曲線との交点で決まる、というのは社会科で習う価格決定メカニズムの基礎の基礎です。
単純に、アカウントを手放したい引退ユーザーや出品者は多いのですけど、顔も見えない知らない人から譲り受けたデータで「強くてニューゲームしたい!」って考えるユーザーって何人いるんだ? って話ですね。
供給過多な原因の一つに、リセマラしての投げ売りが目立つことです。値段にして3桁ぐらいだったりですけど、投稿自体が多いので出品だけがいたずらに増えている印象があります。
・売る側は処理できればいい、の思考
だいたいのユーザーってソーシャルゲームを辞める時、アンインストールしますよね。一部ではアドバイス登録して復帰したり…な例はありますが、戻ってくることは稀で、だいたいのデータってゴミ箱にポイって闇に葬られます。
「元々捨てられるものだから、買い手がついてお金になればいいや」という思考の元で安めの価格がつけられてしまいます。
・課金などのコストが反映されにくい
中古ゲームと違って中身のデータが肝になるので、そこが付加価値になるのは良いとは思います。ただ、それでも一筋縄ではいかない印象です。
〇円課金しました!って書かれてる紹介文もいくつもあったのですけど、じゃあそのデータを買いたいです! って言われるかと言うと、データ(限定だったり実績(称号)、ログイン日数)が伴ってるかは別なのですよね…。そもそも自称なので真偽を確かめる手段って少なくて、目に見える内容が正義ですので。
データが伴っていても値段として反映する際に、じゃあどれぐらいのコストがかかったか、頑張り度かっていうのが買う側視点では分かりづらかったりします。
買い手的に
・評価の高いポイント
称号、実績、レベル
復刻不可なものの回収(ストーリーだったりアイテム)
ログイン日数(いつから始めたか、など)
限定キャラクターの数と質(育成状況)
↑これらを記述とスクショ(10枚まで添付できる)から判断
・評価しづらいポイント
プレイ時間(実績とは違って目に見えないので)
課金額(自称なので真偽が不明だし、機種間でポイントが引継ぎできない場合も。極端な話、ポイントだけなら後から課金なりで何とかなる)
結果、売る側は「これぐらいコストかかったから」と思う一方で買う側は「市場価格はこれぐらい」って認識の乖離が出てきて売れません。じゃあ安くして売るか…。となります。
またここで問題なのは、全体的に市場価格が安くて、買い手側の認識は「これぐらいが相場価格なのか」と低く見積もられます。結果、乖離に拍車をかける始末になってしまうという残念な結果に。
その割に、仲介会社は「市場価格に見合った値段つけてね☆(要約)」って書いてるので、あくまでも売れなかったり低めの市場になってるのは売り手側の責任ってことみたいです。
そりゃ仲介会社もタダで介入してる訳ではないので取引成立するように働きかけますけど、なんだかなーってもやっとします。
自分も価格調査を踏まえた結果、これぐらいで売れたらいいなーって想定していた最低限(50-60%ぐらい)ぐらいの価格で出品していました。そこからあれこれ引かれるので最低限割ってますけど。
それでも他のアカウントに比べると希望価格としてはややお高めな場合も。
周りがおかしい。
・リスクの問題
リスクって一言で書きましたけど、大きく分けて買い手側の
①形のないモノ=後で残らないし、端末の破損などで紛失の恐れ
②アカウント自体が取り締まられる→消える
③そもそもサービス終了したら何も残らない
が考えられます。
リスクに不安を覚えた結果、こうした取引に手を出しづらく、買い手の数自体がそもそも伸びないと考えられます。
④入金されず、泥棒されて泣き寝入りする(売り手の)リスク
については、仲介会社が入金の確認まで連絡してくれるのでリスクは少ないかと。それでも怖かったので、こまめに取引連絡して不正取引してないぞ。のアピールはしてました。
ネット広告問題
出品してから数日間悩まされた問題なのですけど、
ありとあらゆるネット広告のスペースに、
自分の出品したデータが目立つように表示されます。やったね!!!!!
広告する相手を間違えてないか??????????????
おそらく広告メカニズムとして、
・出品ページに頻繁にアクセス
・市場価格調査で他のアカウントの値段を見に行く
↓
広告側「あ、こいつ〇〇ってゲームのアカウントに興味あるんだな。表示しとこ」
↓
大量に表示される
って事なのでしょうけど、見事なまでに売りたい層の見極め間違えてませんか?
手数料
会社に取引を仲介して貰っている訳ですから、売り手側の取引が成立したときに手数料を支払います。
自分の場合は8.8%ってありました。結構バカになりません。
また、銀行振込を頼むとその手数料もあります。
謎のポイント
取引したら貰ったのですけど、入金には使えませんでした。つまり君も買ってね☆ってことなのでしょう。
買いませんけど……。
ゲームの引継ぎ方法
かなり大きな問題。ゲームごとに違いますが、だいたいメールアドレスを要求されることが多いのですけど、私用のメールアドレスに結び付けてしまった場合が厄介です。
ほらメールアドレスも個人情報ですからね。
自分は個人情報の流出とか嫌だったので、Gmailのアカウントを新しく作成して結びつけることで解決しました。
まとめ
・仲介を通しているので、取引のプロセスは決まっていて、きっちり手順守ったらデータだけ抜き取られる。ってことはない。
・ただしメールアドレスが関わってくるので、個人情報の管理には気を付ける必要が。
・市場としてもサービスとしても発展途上でまだまだ未熟。
・売り手と買い手との間に価値の認識に差があったりと、市場価格は安め。
・買い手が少なそうなのもそうだが、欲しそうな人に広告アプローチされているのかが問題。
・不用品整理の市場としてはアリかもしれないが、一儲けしたいって考えるなら労力が見合わない。働け。
役割的にはメ〇カリ的なものが近いと思います。たまに訳わかんないコメントだったり値下げ要求ついているのを見ると本当に。
課金額以上に売買できてますけど、ゲームやってきた時間労力考えると全然釣り合ってないです。
市場価格が低すぎる。激安ショップに駆逐されるラグジュアリー店の気持ちを味わった気分です。くそぅ……。
この記事見て、「強くてニューゲームするなら労力安くて済むのでは?」とお考えになった貴方。
鋭いですけどグレーなので自分としては推奨いたしません。